数理論理の Semantics と Syntax

今回は数理論理の話です.

「前原昭二『数理論理学序説』」に Semantics と Syntax の説明があるのだが,ピンと来ないし,場合によっては混乱する.

同書には,

Semantics:命題や推論の真偽や内容をもとにして研究する立場
Syntax:命題や推論の真偽や内容には触れずに,その形式上の構造にのみ着目して研究する立場

とある.

私は,この説明ではピンときていなかった.何度読んでもよく分からなかった.

上の文言に続いて,双対の原理を例として Semantics と Syntax の説明をしているのだが,わからなさ Max だった.Semantics と Syntax の違いはおろか双対の原理の説明もよくわからないダブルパンチだった.

そして,命題論理の章の最初に,

命題論理なるものを,semantics の立場において考察する.

とあり,その後に,

命題論理では,命題の内容的意味には立ち入らずに,その真偽だけを問題にする

と書いている.

私はこの部分を見て「これじゃ semantics と syntax が混ざってんじゃないの」と混乱した.

これって,ダブルパンチじゃなくてトリプルパンチじゃね?

その後,よく分からないままほったらかしにしていたのだが,そのままにしておくのはダメだろうということで,先日,手元にある数理論理や基礎論の教科書にあたってみた.

そうすると「福山克『数理論理学』」に

Semantics:形式的体系の記号に特定の意味ないしは解釈を与える方法でその体系を研究する立場

Syntax:形式的体系の記号を単なる図形として取り扱う方法でその体系を研究する立場

と書いてあって,やっとわかったような気になれた.

4-5年前に購入した前原本でモヤモヤしてたことが,20年以上積読の福山本を見たら,あっさり晴れたということです.

モヤモヤしてるなら,さっさと調べとけば良かったのですが,そのへんはまあ,ご愛嬌ということで.

人によれば,前原本の説明の方が分かりやすいかもしれないし,そもそも「両本ともそんな説明ではわからんぞ」というのもあるかもしれない.

私の場合は,前原本の説明で分からなかったことが,数年のうちに無意識に考えが熟成されて,もう少しでわかるというところに到達したところで,福山本の説明を見てピンときたのかもしれない.

このあたりの「わかる」の瞬間はその人のおかれている状況によって異なると思う.

 

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