まずは準備編ということで,数学そのものではないけれど,私が繰り返し目を通している本.もしくは,そうするに値すると私が思うもの.
「作文技術」の本と聞かれたとき,私が真っ先に思いつくのがこれである.自分の中では「高木貞治・解析概論」みたいな位置づけの本.
「理科系の,研究者・技術者・学生」のための「他人に読んでもらう文書(仕事の文書)」の作文技術について書かれた本.
「理科系の仕事の文書」は「事実と意見」のみを含み,心情的要素を含まないことを特徴とする.そしてその表現技術について説明する.
大学4年の夏休み明け頃に,ゼミ室にあったこの本を読んで目が覚めたような気がしたのを覚えている.その後,自室に一冊,勤務先の自分の机に一冊置いて,何かあるごとに読み返していたような気がする.
この本の漫画版が最近出た(私は読んでいないが……)
「理科系の作文技術」のいわゆる「人文系・社会学系」版.
テーマは「理科系の —— 」と同じ.それを「人文系・社会学系」向けに再構成したものだ.「理科系の —— 」と比較して,個々の項目がより具体的に書かれていると思う.
数学ガールの著者・結城さんが書いた文章作法の本.
「数式まじりの説明文」を題材とした「あなたの考えを読者に伝えること」を書いた本(基礎編).
次にそれを「正確で読みやすい文章に書き直す方法」を説明する(推敲編).
そしてそれらの原則は「読者のことを考える」ことにあると説く.
結城さんの特徴である,柔らかい印象の読みやすい文体で,具体的に説明されている.
作文技術に関する書籍は数多くあるけど,上記が手元にあれば,概ね間に合うのではと個人的に考えている.
このエントリーの元ネタツイートはこれ↓
#新入生に勧める数学書2018
広く理工系ということになるでしょうが,
・木下是雄「理科系の作文技術」
・結城浩「数学文章作法 基礎編」
・結城浩「数学文章作法 推敲編」
これらに書かれている内容は,卒論や日頃のレポートだけじゃなくて,仕事でも役立ちますし,それこそ一生ものだと思います.— タナカ@数学で行こう (@MathTanaka2017) 2018年3月9日
次回のエントリーで紹介するのは何がいいか考え中.
おそらく
- 数学を勉強する上で知っておいた方が良いこと
が書いてある本になると思う.
最後に番外編(私が持っているのはこれの旧版の方).
学生の課題論文の書き方の指南書.主人公のヘタ夫君が成長する姿を見守ってやって下さい.
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