数学お勧め本その5[位相空間]

今回は位相空間の教科書を紹介する.

例によってややディスり気味の文章だが,私のブログを見てくれている方は,もう慣れていると思いたい.

今回挙げる中で初学者に一番向いていると思うのがこれ.

 

ユークリッド空間から距離空間,そして位相空間へと,直観的な説明を交えて急がずに,外堀からジワジワ攻めていくような説明.

位相空間をある程度わかっている人にはじれったく感じるかもしれない.

上記「位相空間」と同じ内容が,後半に述べられている.

 

個人的には,この本の方が好み.付帯説明が少なめで,中身が引き締まっているような感じである.

位相空間でよく挙げられる教科書の一つ.

 

全体的にスッキリとした説明で,悪くはないのだが,定義を地の文で書いてしまうのはどうかと思う.

定番としてよく挙げられるのがこれ.

 

内容云々よりも,説明の順序が一本道になっていないように感じるのと,所々,饒舌すぎる点があるような印象.今となっては一番におすすめする本ではないと思う.

とはいいつつも,やっぱりこの本を参照してしまう.そういうところが「定番」なのかもしれない.

位相空間の教科書のおすすめで挙げられることはないが,個人的に気に入っているもの.

 

演習本なので,詳しい説明はないのだが,要点がコンパクトにまとまっていて,気に入っている.

致命的ではないが,定義で所々細かい条件が抜けているとこがあって,前提を暗黙の了解にしているように感じる部分がある.

本格的に入門したい方はこちらをどうぞ.


森田紀一 位相空間論

パラパラとしかみていないので,おすすめも,ボヤキもできないのだが,専門家が書いた教科書ということで.

30頁の集合論の説明のあと,10頁ほど,ユークリッド空間・距離空間の解説がある.全体の8割方が位相空間についての説明.

もっと本格的に入門したい方はこれ.


児玉之宏 永見啓応 位相空間論

この教科書の「位相」は「閉包」による定義から始まる.その後,私がどうしたかは「お察し」である.

始めの10頁ほどで集合論について述べ,いきなり位相の定義から始まる.400頁超えの大著.

教科書を見て気に入らない部分があるから,自分用の「教科書(集合論)」を書き始めたわけで,紹介文の「ディスり」がなければ,私は教科書を書かなかったし,このブログを開設することもなかったはずだ.

なので, 位相空間に関してもそのうち自分用の教科書を書くことになると予想.

ということで,次回はどの分野の教科書を紹介するか,考え中.

 

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